「育ち」は自分で変えられる。素直に学び、自分に自信が持てると、相手へ気遣いも出来るはず

読書感想

少し古いですが、2008年「グ~ッ!」のネタで新語・流行語大賞を受賞した、お笑い芸人のエドはるみさん。

エドはるみさんの佇まいってオーラがありましたよね。

エドはるみさんはマナー講座の講師でした。

現在は講演活動に加えて、画家や女優などマルチに活動されている方。

咄嗟にエドはるみさんの顔が浮かんだマナー本を読んでみました。

気遣いのできる余裕のある大人、憧れですね。

育ちがいいってどういうこと?

本屋さんのおすすめコーナーを物色していたところ、題名に興味を惹かれて平積みされていたこの本を手に取りました。

諏内えみさんの『「育ちがいい人」だけが知っていること 今からでも「育ち」は良くなる!』(ダイヤモンド社2020/2/19)です。

このタイトルに惹かれたのは、私が育った環境はお世辞にも育ちが良いとは言えないから。

吉幾三の歌に出てきそうなド田舎で生まれ育って、東京に憧れて進学を理由にやってきたのですから、「育ち」なんてものは野生そのものです。

上京して間もなく、学生生活を送ると、同級生の中にお嬢様お坊ちゃまがいることを知ります。

彼らは、なんとも言えないオーラがありました。

ああいうのを「育ち」というのかな。

あのオーラのような風格はどうやって身につけるのだろう。

私にとって、興味を膨らませるとともに、自分のコンプレックスのような気持ちも垣間見えました。

今となっては、自分らしく生きられればそれでいいやと思って、毎日を楽しく過ごしていますが、こういう本を見かけると、心の底になる小さなコンプレックスが顔を出してくるのだろうと思います。

本当に、「育ち」の良い人はマニュアル本なんて必要ないでしょうから(笑)

気遣いのできること、余裕があること

本書は、9つの章からなり、ふるまい、話し方、見た目、暮らし、人間関係、贈り物・お招き、公共の場でのふるまい、食べ方、オケージョンからなります。

項目の数は257!

私のような品格やマナーに疎い人にとっては、とても細かい書かれていて分かりやすいです。

そして、子どもの頃、実家での母や祖母に注意されて、見過ごしていた、ちょっと口うるさいと感じることも本書で指摘されてます。

所作は知ることで学ぶことができますが、ふるまいは、見える相手見えない相手への小さな気づかいだったりします。

「洗面所を使ったら、びしょびしょにしておかないで拭いておくのよ」

そういえば、母から言われていました(汗)

実は、自宅でも親から教わったことも数多くあるのです。

そして、面倒くささゆえに、おざなりになっていたのです。

そういう自分自身の内側も気が付かせてくれるところが、本書の良いところ。

初めて知る項目もありますが、親から教わったこともちらほら出てくるのです。

なんとなくモヤモヤとしたコンプレックスから、手に取った本書ですが、読み終えると、もっと自分に自信を持っても良いのではないかと思うから不思議です。

自分自身に何かひとつでも自信を持てることがあれば、心に余裕ができ、相手に対する気遣いをしたり、素直に相手を称賛したりすることにつながるのではないかと思うのです。

いつからでも学べるし、実践できる

「育ち」は、自分で変えられる!

本書の冒頭に書いてある一文です。

どんな環境で育ったかというのではなくて、所作やふるまいを素直に学び、実践できるかということ。

私は「育ち」が良くないから、と素直に学ぶ姿勢が無ければ進化も発展の可能性もしぼみます。

なかなか機会に恵まれなくて、実践することができない所作やふるまいもありますが、マナーとして知っておいて損はないと思うのです。

きっと、数か月後には忘れてしまう項目もあると思いますが、それでも、相手ことを想像しながら、自分が余裕を持って行動をすることによって、自分自身にも少しは風格というか、人柄が磨かれるのかもしれません。

普段の何気ない行動の一つ一つは、他の人からも見られています。

ナルシストでなくとも、こういった所作、ふるまいを見直し、学ぶきっかけをくれた本書は自分磨きの一つとなる良書でした。