小学生のころ、クラスのみんなから絶対的に信頼を置かれていた先生がいました。
私も同級生と先生の官舎まで遊びにいったりして、今思うと迷惑だったなと思いますが、嫌な顔せずに遊びに付き合ってくれました。
先生が人気があったのは、勉強を教えるだけでなく、遊びも教えてくれたから。
教科書からはかけ離れた問題も授業で取り入れて、面白く解説してくれました。
はじめて、地球やリサイクルに興味を持ったのも、小学校の先生のおかげ。
We are the world
音楽の授業だったか、雨で校庭が使えなくなった体育の代行授業だったかは忘れましたが、ふと先生がCDラジカセで音楽をかけました。
子どもにもわかりやすい、素敵なメロディ。
みんなが歌って楽しそう。
なんていう曲なの?
1度で小学生の私の心を鷲掴みにした曲。
それは『We are the world』。
あまりにも気に入りすぎて、同級生とアンコールを先生にお願いしていたら、あくる日、どこで手に入れたのか先生が『we are the world』のビデオを買ってきてくれました。
当時の私たちにとって、アメリカなんて遠い遠い存在。
アメリカの歌手はマイケルジャクソンくらいしか知らない。
ビデオ鑑賞から、
みんなが一つの曲を歌い上げるってすごいことだよね。
素敵な曲に仕上がるんだね。
ただただ感動させられました。
今思うと発売は1985年なんですね。
私たちが初めて聴いたのは、1994年くらいかな?
だから、アメリカで発売されてから、10年も後。
曲の素晴らしさと様々なスターが歌う様から、
「いろんな人がいていいんだよ。みんなで歌うって楽しいよ。」
としかメッセージを受け取れなかったのですが、子どもには十分な刺激でした。
そんな『We are the world』は、イギリスのアフリカを救おうというキャンペーン『バンド・エイド』の成功に触発されて、アフリカの飢餓と貧困層を解消する目的で作られたということを知ったのは、大人になってから。
子ども時代の刺激は、頭に残って後々影響を与えることを身をもって感じたのでした。
はじめてのSDGs
先生が「この本、結構売れたんだよ」と授業中に教えてくれた本は、『地球を救うかんたんな50の方法』(講談社)ジ・ア-ス・ワ-クス・グル-プ、土屋京子(訳)(1990/7/17)という本。
『we are the world』がきっかけではないかもですが、クラスのみんなが自分以外に興味を持ったのは事実。
24間テレビの「愛は地球を救う」ってキャッチフレーズってこのころからじゃないのかな。
私も先生からこの本を教えてもらって、自分の住んでいてるところが変化がなくても、他の地域で困っている人がいる、そういう想像ができる人になりたいと思いました。
本の内容の「牛乳パック30枚を再利用すると、トイレットペーパーが5本つくれます。」など身近なものから再利用ができることは、子どもの私に初めてリサイクルという言葉と実践を教えてくれました。
風のように教えてくれる
先生のいいところは、押し付けがなかったこと。
『we are the world』もアフリカに向けた曲だということの解説をしてくれたのかもしれませんが、「こう考えるべきだ」と押し付けたりということはありませんでした。
地球のことだってそう。
だから、もしも興味があったら、自分で調べて、先生がみてくれて、また教えてくれる、という良い循環が出来ていたのかもしれません。
日常の中でいろいろなモノやコトを様々投げてくれて、まるで風のように教えてくれました。
私は学校の先生でもないし、教育の資格を持っているわけでもないけど、自分の子どもにも様々な興味を持ってほしいな、と思います。
子どもから1歩下がって、見守りながら風のようにモノやコトを提供できるよう、私も勉強中。
そして今は連絡先もわからないけれど、もしお会いしたら丁寧にお礼を申し上げたいです。
先生のおかげでモノを読んだり調べるコトが楽しくなりました、と。