図書館で出会った「家族」の漫画。愛やぬくもりと冷酷と悲しみ。手塚ワールドに引き込まれる

読書感想

鉄腕アトム世代ではない私。

偉大な漫画家、手塚治虫先生とは知りつつも、なかなか読む機会がありませんでした。

図書館のカウンター近くでひっそりと置かれていた新書サイズの漫画本。

新書サイズでバスや電車の中でも読めるかな~と思って読んでみました。

短編にしては、深く考えさせられる内容ばかり。

一気に手塚ワールドに引き込まれました。

新しい発見の宝庫、図書館

読み継がれてきたんだな。

そう思うほど、多くの人に読まれてきたと思わせる表紙カバー。

図書館の目的は、多くの人に読んでもらえるように司書さんたちが本の手入れをしてくれています。

おかげさまで、私も自分で探したら、絶対に手に取らない本も図書館に行くことで新しい発見とつながることが多いです。

手塚治虫先生のこの本もその一つ。

手塚治虫先生は偉大な漫画家であることは周知の事実。

私も一般常識というか名前だけというかあまりよくわからないけれど、とにかく巨匠であることは知っていました。

でも、実際、マンガ本を今まで手にしたことはありませんでした。

マンガというのも流行がありますし、子ども時代にはなんとなくみんなが読んでいる本を読んでしまいがちになります。

テレビコマーシャルで見る鉄腕アトムは知っていても、実際のストーリーは未だによくわからないままです。

そんな私が、こちらの本と出合ったのは、図書館。

カウンター近くで偶然に遭遇。

本の方から近づいてきたような気もしないではありませんでした。

手塚治虫傑作選「家族」

祥伝社より発行されたのは2008年。

10作品が収められています。

作品の多くは1970年代といったところ。今から50年も前のことです。

50年の間に家族の形態も変わり、文明も発達してきました。

家族をテーマにして集められた作品集ですが、この進化の流れがあっても、というか家族の根幹的な部分は変わらないのかもしれないなと思います。

自分に文章力なくて表現ができないのですが、とかぬくもりというものでしょうか。

この作品集には、この愛やぬくもりの場面がある反面、冷酷や悲しい始末も描かれています。

両面があるからこそ、愛やぬくもりが家族の中で、より一層感じられるのではないかと感じてしまうような読後感です。

人格というか人情というか、子どもが生まれて初めて所属する家族という団体。

この家族がもたらす影響というのは計り知れないかもしれないですね。

何年たっても良い作品は色あせない。

強烈なメッセージも受け取った気もします。

そのことを強く感じさせた素晴らしい作品集でした。