不滅のバイブル『論語と算段』真心をもって精進し、自分の未来を切り開く

読書感想

この本は1916年(大正5年)に発行された本です。

前回、大河ドラマの主人公となった渋沢栄一さんを調べてみて、日本の経済を大きく発展させた偉大な人だとわかりました。

『論語と算段』も再びクローズアップされていたので、読んでみました。

とても勉強になったので、曖昧な言葉は調べて、自分なりの解釈を記してみたいと思います。

『現代語訳 論語と算盤』 (ちくま新書) 2010/2/8 渋沢栄一(著) 守屋淳(訳)

処世と信条 ~世間で生活していくうえで、守ること~

処世とは、世間と交わってうまく生活していくことです。

信条とは、堅く信じて守っている事柄です。

人が生きていくためには「道徳」と「商才(経済)」が必要です。

このどちらも学べるのが論語です。論語はすべての人に共通する実用的な教訓です。

立志と学問 ~目的をもって学ぶ~

精神の向上は、富の増大とともに進めることが必要です。

常識と習慣 ~世間の考え方に理解し、良いふるまいを積み重ねる~

常識とは、何かをなすと時に言葉や行動が、中正にかなうことを言います。

世間の考え方を理解し、善悪を見分け、物事を処理できる能力のことです。

習慣とは、普段からの振る舞いが積み重なって身についたものです。良い習慣を身につけるように心がけるのは、社会で生きていくために大切なことです。

仁義と富貴 ~善悪をわきまえながら、お金を回す~

仁義とは、道徳上守るべき筋道。富貴とは、金持ちで、かつ地位や身分が高いことです。

本当の経済活動は、社会のためになる道徳がないと、長くは続きません。

よく集めることを知って、よく使ってください。

理想と迷信 ~理想に近づくには真心が必要。毎日新たな気持ちで~

人が自分の務めを果たすときには、熱い真心が必要です。

真心があれば、すべて自分の思い通りにならなくても、自分の理想や思いの一部分くらいは叶います。

一日を新たな気持ちで精神を元気にしていきましょう。

人格と修養 ~知識を高め、品性を磨き、人格形成につとめる~

修養とは、知識を高め、品性を磨き、自己の人格形成につとめることです。

人と人の間には差がありません。

世間は人を評価することを好みますが、もし評価をするのであれば、その人が社会や人のために尽くそうとしたのか、その成果はどうだったのかについて評論してほしいと思います。

算段と権利 ~社会に多くの利益を与えるものを提供する~

算段とは、金銭の工面、やりくりのことです。

義務と権利は対照的に見えても、結局は一致するのです。

善があれば悪もあります。

常に道徳心を持ち、実業は、社会に多くの利益を与えるものでなければ、正しくまともな事業とはいえないのです。

実業と士道 ~武士道の精神は、仕事をする人が持つべき思想~

「正義」:みんなが認めた正しさ

「廉直(れんちょく)」:心がきれいでまっすぐなこと

「義侠(ぎきょう)」:弱きを助ける心意気

「敢為(かんい)」:困難に負けない意志

「礼讃(れいさん)」:礼儀と譲り合い

武士道は実業道に置き換えることができます。

教育と情誼(じょうぎ) ~目的をもって学び、どんな人にも誠実に~

情誼とは、人とつきあう上での人情や誠意のことです。

学びは、自分を向上させるために修めるものです。

目的をもって学び、チャンスがあれば勇気をもって飛び込んでいく心意気を持ってほしいと思います。

成敗と運命 ~真心をもって努力し、自分の道を切り開く~

仕事は一生懸命やるのは当然です。

同時に思いやりや愛情もなくてはならないのです。

人は、人としてなすべきことを基準として、自分の人生の道筋を決めていかなければなりません。

成功や失敗というのは、結局、心を込めて努力した人の体に残るカスのようなものです。

成功や失敗という価値観から抜け出して、ひたすら誠実に努力して、自分の運命を切り開いてください。

たとえ失敗しても勉強を続けていけば、また幸運に恵まれる時が来ます。

この積み重ねが価値のある生涯を送ることができるのです。

おわりに

私が感じた渋沢栄一さんからのメッセージは、「自分の進むべき道を真心をもって精進し、自分の未来を切り開いてください」ということじゃないかと思いました。

現代語訳とはいえ、テンポよくスイスイとはいきませんでしたが、読んだ後は、自分の中にスッと一本軸がたったような感覚を得られます。

新社会人や新しい事業を起こした人だけでなく、つまずいている人も、本書を手に取ると、今後の立ち振る舞いが変わってくると思います。

100年前に書かれた本ですが、渋沢栄一さんの言葉に色あせることはありません。

渋沢栄一さんの没後、日本は戦争へ向かい、敗戦国となります。

その後、高度経済成長を経て、長く経済が停滞した今を彼が見たら、何を語ってくれるのでしょう。

きっと、

成功や失敗という価値観に固執しているんじゃないの?自分自身は社会に貢献できているのかね?誠実に努力しているのかね?自分の運命は自分で切り開くものだよ。みんながこれを実践すれば、きっと日本はより良い国になるよ。

と言われるような気がします。

名著に出会えて良かったです。

私自身は、『論語』に馴染みがないので、『論語』が分かる簡単な本など探して、さらに理解を深められたらな、と思いました。