10月は「里親月間」。今の生活で手一杯の状況だけど、世の中を知ることで自分を見つめ考える。

制度の話

10月は「里親月間」なんだそう。

市役所で見た厚生労働省のポスターを見て、里親について調べてみようかと思いました。

様々な理由で親元で育つことができない子どもたちは全国に約45000人にいるのだそうです。

その子どもたちがどこで暮らしているかというと、約80%が乳児院や児童養護施設などの施設。

令和元年度では5832人の子どもたちが里親のもとで生活をしているとのことです。

里親とは

里親制度は、何らかの事情により家庭での養育が困難又は受けられなくなった子どもたちに、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下で養育を提供する制度。

里親制度は、児童福祉法に基づいて、里親となることを希望する方に子どもの養育をお願いする制度となっています。

里親には4つの種類があります

養育里親

要保護児童を預かって養育します。

要保護児童とは、児童福祉法において保護が必要だと認められた児童。

保護者がいない児童や虐待や本人の非行などにより保護者に育てさせることが不適当だと認められる児童などを要保護児童といいます。

基本的には、実親の元で暮らすことができるようになるまでの委託ですが、18歳の成人になるまで続けられる場合もあります。

専門里親

虐待を受けた児童や非行などの問題のある児童など、専門的なケアを必要とする児童を預かって養育します。

委託期間は2年間とされてますが、延長する場合もあります。

養子縁組を前提とした里親

保護者のない場合や、家庭での養育が困難で実親での養育が困難で実親が育てる意思がない場合に、養子縁組を前提として養育します。

親族里親

保護者が死亡、行方不明などで養育できない場合、子どもの祖父母、叔父叔母など三親等以内の親族が里親として養育します。

里親になるための流れ

里親になるためには、自治体が定めた一定の要件をクリアし、研修などを受ける必要がありますが、特別な資格は必要ありません。

<里親になるまでの流れ>
  • 児童相談所へ問合せ
  • 登録要件の確認
  • 研修と受講
  • 申請
  • 家庭訪問(所要時間:2〜3時間)
  • 審査

児童相談所へ問合せ

地域の児童相談所へ、里親登録をしたい旨を相談。

里親登録を検討している段階でも、問い合わせや質問をすることも可能。

登録要件の確認

お住まいの管轄の児童相談所で職員と面接します。

里親制度について説明を受けます。

里親の登録や児童の委託などに関して疑問や不安に感じる点について質問もできます。

面接の内容としては、里親を希望する動機、家族構成、住宅環境などについて質問を受けます。

もちろん、説明を聞いたうえで里親になることを断念することも可能です。

研修と受講

座学2日間、施設実習2日間を受講します。

座学では、専門家や里親経験者から「社会的養護」という概念や「子どもの養育」に関する知識を学びます。

施設実習では、「児童養護施設での生活」体験を通して子どもに関する理解を深めます。

いずれも夫婦揃って受講する必要があります。

申請

研修を受講した上で、里親登録をしたいという意思が固まったら、児童相談所に申請書類を提出します。

家庭訪問(所要時間:2〜3時間)

児童相談所などの職員が家庭訪問し、住居環境や家族関係等について、家族全員(同居人含む)から聞き取り調査を行。申請書が受理されてからおおむね数週間後に実施される。

審査

2カ月に一度開催される児童福祉審議会の里親認定部会が開催にて、申請書の内容や、家庭訪問の結果を審査。

有識者が審議を行い、里親と認定されます。

更新

養育里親は5年、専門里親は2年ごとに更新研修を受講します。

知ることと、考えることを続ける

厚生労働省の統計をみると、生みの親が何らかの事情で育てられなくなった子どもの8割以上は乳児院や児童養護施設などの施設で過ごしているそうです。

尊い命が何らかの理由で実親が育てられなくなった時に、できるだけ温かい家庭で過ごすことができれば、その子の人生が大きく変わるのではないかと思いました。

少し古いデータですが、厚生労働省の資料『社会的養護の現状』では、乳児院や児童養護施設ともに平成11年と平成21年を比較して要保護児童が増加していることから、施設数がそれぞれ微増しています。

同じ期間の里親への委託児童数は1.8倍と10年で2倍近くになっています。

数字は小さいかもしれませんが、温かく迎えてくれる家庭も増えることは、子どもたちにとってもプラスの材料ではないかと思いました。

私にできることは、まだ自分の子どもたちを愛することしかできないけれど、こういう制度があってその中で懸命に生きている子どもや支援してくれる里親さんがいらっしゃるということを学びながら、少しずつ自分にできることはないか考えていきたいと思います。