秋は虫たちにとって忙しい時期。
カマキリが枝に卵を産み付けたり、テントウムシが、葉っぱの中や木に巻かれた「こも」の中に卵を産み付けたり、土の中、水の中など様々なところに大切な子孫を残します。
草の多い道を散歩しながら、地面に近いところを見たり、大きな空から少し視点を変えると、虫たちの生態が見えるので、楽しみの一つとなっています。
子孫を繋ぐの大仕事
虫たちの最後の仕事は、産卵。
例えばカマキリは、オスのカマキリが命がけは有名。
交尾の際、メスに食べられてしまう運命のカマキリが多いです。
食べられたオスのカマキリは、子孫とともに、子孫を育むメスのカマキリの栄養となります。
そんなメスも、産卵した後は死んでしまいます。
産後の子どもたちがどう育っていくかなど、見る由もない虫たちのことを思えば、人間って恵まれていて面白い生き物だなぁと思ってしまいます。
急げ急げ、冬は間近
落葉したソメイヨシノの葉っぱ見ながら、ほんの3歩草むらに入ると、活発に動く虫たちが見えます。
もう、寒くなってきたので、動きは緩慢な感じがします。
2週間前だったかに見たショウリョウバッタも捕まえられそうなほど、ゆっくりとした動きでした。
目はしっかりしていたので、きっと間近に迫った冬への焦りがあったのかもしれません。
釣り場は蜘蛛其々
葉っぱの落ちたソメイヨシノには多いな巣を張って獲物を待つジョロウグモの姿が。
あまりにも巣が大きいので、巣の一部が私も引っ掛かりそうです。
巣に掛からないように身をかがめて、草むらを出ようと地面を見ると、こんなところにも、獲物を狙うジョロウグモを発見しました。
丈夫そうな草と草の間に、小さな巣を張って、地面に近い虫たちを狙っているのでしょうか。
地面に近いせいかなかなかうまく写真が撮れません…
釣り場を決めるのは、人間も蜘蛛も一緒。高いところと低いところ釣果が優れているのはどっちでしょうね。
そういえば、ジョロウグモって女郎蜘蛛と書かれることがありますね。
大きな巣を張るのはメスですが、オスよりもメスが大きいからでしょうか。
それとも、カマキリのように交尾にためにやってきたオスを食べてしまうからでしょうか。
諸説あるようですが、女郎蜘蛛は美しい女に化けることのできるという妖怪の伝説から名付けられたようです。
黄色と黒のあの風体は、見るからに危険を知らせてくれるような気がしますよね。
巣を張っていれば結構目立って、見慣れないとギョっとします。
そんなジョロウグモが産卵できるのは秋の間だけ。
冬を前に産卵をしてしばらく卵を守ると死んでしまうというのです。
儚いものですね。
秋が哀愁を感じるのは、子孫を残すもの、この世から身を引くもののドラマがあるからなのかもしれません。
虫たちに心があるのか分からないけれど、未来の子孫のために、生き抜く姿をみるととても力強さ感じられます。