おかげさまの気持ちで。赤福に添えられている伊勢だよりで思いを馳せる

食べもの

春の花が咲きなじめました。

お花見の準備と言わんばかりに、我が家にも春を呼び込む食材が続々と。

今日のおやつは赤福。

赤福の中に伊勢だよりというカードが添えられています。

伊勢への思いを馳せることができるカード。

自然とおかげさまの気持ちが湧いてきます。

今日のおやつ

頂き物ですが、赤福です。

大好きな三重県は伊勢市の名産です。

お正月にあんこのおいしさに気づいてしまった子どもたちが、包装紙を開けてしまい、ついでだから食べてしまおうということになりました。

頂き物だから、少しは心を鎮めて感謝の念を抱きながら、ゆっくりと味わいたかったのですが、そうはさせてくれないハイエナのような群がり、そして平らげられました。

関東地方に住む私にとっては、赤福はなかなか食べられないもの。

生ものであることからか、スーパーの催事場で見かけることもまずありません。

似たようなお餅でも極々、稀。

私にとって赤福は、食べられそうで食べられない、有難いお菓子なのです。

伊勢だより

子どもたちが笑顔をほころばせながら食べた赤福は、嬉しいような、ちょっと名残惜しいような余韻を残してくれました。

後片付けに、折詰と包装紙を片づけていると、一枚の紙がヒラリ。

何かと思って手に取ると、伊勢だよりとありました。

伊勢にお店を構える赤福の店主が、伊勢を中心とした名物や特産、行事などを一枚のカードに紹介しているお便り。

京都の版画家、徳力富吉郎さんの作品だそうです。

これまでも何度も赤福は食べているはずあでしたが、ゆっくりと読み込んだのは初めてでした。

表側に親しみやすい版画のイラスト、反対側には、店主から分かりやすいコメントがあります。

赤福が作られた日にちなんでカードを添えているようで、毎日が異なるカードです。

この日のカードは、伊勢の朝熊出身の彫刻家の橋本平八について。

橋本平八は、大正から昭和初期にかけての彫刻界で異彩を放った彫刻家。39歳という短い生涯のうちに、猿や猫、兎など身近な動物を主題にした作品を数多く手掛けたそうです。

この日の伊勢だよりの表紙の右側の猫は、「猫 A」という作品の絵です。

橋本平八の動物彫刻の代表的な作品のひとつで、現在では三重県立美術館で展示されています。

伊勢で親しまれ、伊勢の工房で早逝した偉才は、朝熊山にある金剛證寺(こんごうしょうじ)の境内に地元の方が記念碑を立てたのだそうです。

伊勢に全くゆかりのない私にとって伊勢だよりは、一枚のカードから伊勢にまつわるお話を聴けたようで、とても味わい深いです。

次に自分が購入するときには、どんなカードか楽しみです。

是非とも、赤福を頂く前に、カードを手にして、伊勢への思いを馳せたいものですね。

おかげさま

赤福の本店がある、おかげ横丁。

その昔、全国から、お伊勢さんを目指してこられる旅人の「おかげ参り」にちなんで名づけられたと言われています。

そして、赤福もおはらい町で商いを続けてこられたのは、お伊勢さんの「おかげ」だと。

伊勢は、みんなの感謝が詰まった街、素敵な街ですね。

私も自宅で赤福を食べられるのも、おかげさま。

おかげさまで、こうやって、つたない文章を書けています。

人は、見えない沢山の誰かに支えられて生きています。

おかげさまの心は、いつも抱いていたい大切な気持ちですね。