本の返却をしようと訪れた図書館で、たまたま目に入った男の子の子育て本。
ジェンダーレスが叫ばれて久しい今の時代に、どうなんだろうと半信半疑のまま手に取りました。
著者は久保田カヨ子さん。『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』ダイヤモンド社(2012/7/26)です。
カヨ子ばあちゃんこと、久保田カヨ子さんは男の子2人を育てた方。
旦那様の久保田競さんは脳科学者。
男の子の育て方って難しいと聞きます。
お母さんが女性ということもあるかもしれません。
生きていくうえで本人が困らないように対処する処世術みたいなものを教えるって難しいですよね。
当たり前のことを身につけたり、継続するって結構、難しい。
そこのところを、ご自身のご経験と脳科学を合わせてメソッドにしたが1冊。
とても参考になりました。
泣き道場
本書は、赤ちゃんの頃からの教育方法。
生まれて間もないころ、助産師さんから赤ちゃんのお世話の方法を学んだ時に、声のかけ方やふれあい遊びを教えてもらいました。
出産後、私は寝不足が続いて体調がすぐれなく、笑顔も消え、ひとりでいるときには、声も変えられない程だったなぁ。
もう少し、他の人の手を借りながら、自分の体調を整えても良かったかなぁと今更ながらに思いました。
カヨ子ばあちゃんは、赤ちゃんは、泣くことで心肺を鍛えると話しています。
言葉を表現できない赤ちゃんは、泣くことで周囲に知らせてくれます。
そのことを考えると、単に泣くということは、コミュニケーションの一つだったんだなと思い返すことができました。
鏡
昔から「子は親の鏡」とはよく言うもの。
人間は、脳に特別な障害がない限り、普段から聞いている言葉を覚え、母国語となるのだそうです。
どんなに遺伝子の良い赤ちゃんが生まれたとしても、無音の状態で育てられれば、言葉を認識して覚えるということはできないのだそうです。
子どもたちは、自分に近い家族をお手本に生活を身につけていくのには納得がいきます。
赤ちゃんだった子がお座りができるようになって、スプーンを持てるようになって、歩けるようになって、とだんだんと成長していくは微笑ましいもの。
赤ちゃんは、自分に近い人を見て学んで真似をしていきます。
大人の様子をじっと観察して、自分もやってみる。
つまり、だんだんとハードルが上がってくるわけです。
2歳になる次子も、お皿を片づけようとしたり、お手伝いをするそぶりをしてくれます。
私は、子どもに見られている。
ちょっと怖いですが、背筋が伸びる思いです。
なんたって、私は猫背(悲)
子どもたちには、猫背にだけはなって欲しくないと思っているのです。
そうであるならば、猫背ではない自分を見せないとなりません。
猫背の私が、「背中、ピンして!」と注意しても、聞いてはくれないでしょうから。
子どもたちの成長は、これからも進んでいきます。
私自身も、成長を止めることなく、子どもたちに追いつかれないようにちょっと前を進んでいかなくてはいけないなと思いました。
観察することの大切さ
子どもたちは、自分の身近にいる大人が大好き。
でも、自分が今している遊びに夢中になって、中断できないこともあります。
私が、子どもたちを公園へ遊びに連れて行った時は、いつも帰り際に苦戦します。
本書には、幼児への声かけの方法に、ズボラをしないこととありました。
つまり、子どもの目が私に見えないところや、子どもやっていることが見えない場所から、気軽に子どもを呼びつけることをしないということです。
公園で遊んでいる我が子たちは、楽しいのです。
そこを、「おうちに帰るよ~」で中断させてしまうのは、子どもたちが今やっていることを私自ら中断させてしまうということ。
子どもたちの近くに行って、どんな遊びをしているのかよく観察してみてから、声をかけるというのは、とても参考になりました。
子どもたちが集中しているかどうかを確かめてから、声をかけるというのは、私が今までしなかった行動。
時計しか見ていなかった私は、とても反省をしました。
お砂場で穴を掘っていたのなら、穴を掘っていることを認めてあげて、ある程度ひと段落したら声をかけてみる。
そういう観察力が私には足らなかったのです。
後日、公園へ出かけた際に、タイミングを見計らって声をかけると、意外にもすんなり聞いてくれたので、効果はあったのだと思います。
言葉で話せない子どもたちにを、どうやって受け止めてあげられるのかが、大人の大事な役割なんだろうなと実感しました。
子育てが楽しくなるためには
この本は、久保田カヨ子さんの子育てと脳科学者である旦那様の理論を掛け合わせた子育て法です。
大部分が、経験談なので、自分の状況と合わなければ、合わなくともいいのかなと思いました。
それよりも、やはり子育てをする人が、元気でいることが一番大事なのだと強く思いました。
元気がなくては、子どもたちと遊べないし、観察もできない、声もかけられません。
だから、子育てが楽しいと思うようになるためには、子育てする人が元気になるようにする。
家事を手を抜いたり、息抜きしたり、自分が元気にならないと素直で元気な子どもたちに育ってはくれないかもしれないと強く思いました。
子育て方法は、沢山ありますが、とにかく元気が大事。
そのためにしっかり休む。
そう、強く思った本でした。