阪神大震災から27年。心に刻まれた日を伝えていく大切さ

暮らし

1年の中で忘れてはならない日。

1月17日。

私が生きている間、祈ることを忘れることはない1日です。

金色夜叉

かつて1月17日と言えば、明治時代に大人気となった尾崎紅葉の小説『金色夜叉』に登場するお宮の松のシーンの日でした。

結婚を約束していた寛一とお宮。

寛一が学業に専念している間に、富豪の富山忠継に見初められ、お宮は結婚してしまいます。

お宮の結婚を知った寛一が、熱海の地でお宮を問い詰めるも、お宮は本心を明かさず。

寛一はお宮を蹴飛ばし言い放ちました。

ああ、宮さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月を見るのだか! 再来年の今月今夜……十年後の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ

熱海に観光に行ったときに、寛一がお宮に蹴飛ばされている像を見て、なんとも哀れなと思っていました。

心に刻まれた日

寛一の言い放った言葉の一部が、「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」は広く知れ渡っていますが、この日というのが1月17日。

なにか、小説以外にも重なるところがあって、記憶に残りました。

そう、今日は阪神大震災の日。

まだ幼かった私は、北国の地でテレビにかじりついていました。

神戸の映像がテレビから流れる姿をずっと見ながら、ただひたすら驚いていたのを覚えています。

震災と言えば、2011年までは阪神大震災でした。

その後、東日本大震災が起こり、人間の無力さを目の当たりにしました。

自分が知っている地域も津波によって大きな被害を受けました。

今となっては、震災と言えば、1月17日の阪神大震災と3月11日の東日本大震災、9月1日の関東大震災です。

もう、十分自然の威力は思い知りました。

どうか穏やかに穏やかにと思っていたところ、トンガ沖で起きた海底火山の噴火が起こりました。

何かにつけて、案ずるのも良くないとは思うのですが、はるかかなたで困っている人がいるのではないかと心配になります。

あれから27年

被害の大きかった神戸市をに限らず、多くの自治体で追悼集会や防災訓練が開催されるそうです。

何年たっても忘れずに、続けていくこと。

あの時の気持ちや教訓を伝えていくことが、いざという時の支えとなるのだろうなと思った朝でした。