少し前のこと。
日陰に咲いていた時期外れのアザミ。
なかなか日にも当たらず、暑さをしのいで1か月ほど遅れて咲いていたのでしょうか。
それとも、みんなと時期を外してあえて一人で咲いていたのでしょうか。
じっと見つめていると、とげとげしい花。
でも少し遠くから見ると丸っこくて王冠のような花。
見方で気持ちが様々分かるのは、人間も花も同じなんだよね。
とげを見せることで
今年の冬からライフスタイルが大きく変わりました。
ようやく育児にも慣れて、少しずつ楽しめてきた頃。
子どもたちの保育園入園と自分の職場復帰。
多くのお母さんたちがそうだったように、私も働く母としての仲間入りを選択しました。
現実には、積極的には働きたいと思ってはいなかったのですが、経済的なことや子どもたちの社会性のことなどを考えて、お互いにステップアップを果たそうと決断したのでした。
保育園の申し込みから、決定までには3か月ほど要しました。
私の住んでいる街では、4月からの入園は11月までの申し込み⇒1月下旬の決定⇒2月初めに決定の通知。という形です。
11月末までギリギリ悩んで提出して、梅の花が咲くころに、入園先が決定します。
私は2人同じ保育園に入ってほしかったので、2重のドキドキ。
「二人とも同じ保育園に入れますように」「でも、二人とも落ちてもいいです」
どっちやねん。
祈っているのかそうでないのか優柔不断な気持ちは決定の通知が来るまで続きました。
そんなこんなで晴れて4月に同じ保育園に入園したわけです。
入園して間もなく、自分の職場復帰となってからは、毎日が時間との勝負。
子どもたちの成長も見守りたいけれど、「急いで~」と言わない日はなくなりました。
時間がないって恐ろしいですね。
自分の中にある、とげの部分がどんどん大きくなってきます。
冷静に考えると、時間だけでなく心にも余裕がなかったんだなと思います。
相手にとげを見せることで、自分も落ち着きたかったのかな。構ってほしかったのかな、と自己分析。
アザミ
アザミって、スコットランドの国花なんですって。
なんでも、とげが外敵から国土を守ったとされているのだとか。
スコットランドがノルウェー軍に夜襲を受けた際に、アザミのトゲを踏みつけた兵隊の声でスコットランド軍が追い打ちをかけることができたというお話。
花言葉は「独立、報復、厳格、触れないで」というから、何となく孤高な感じがしますね。
そんなアザミ。
引いてみると、なんだか丸っこい愛しさを感じるような花。
遠くから見ると、目立つし、きれいな花だと思います。
近づいて触るととげがある。
人間と同じく、プライベートゾーンがあるということでしょうか。
そんなアザミは、多くの種類が食用にもできるのだそう。
天ぷらで揚げると、とげも気にならなくなるそうです。
多面的で興味深い花のアザミ。
花からの「プライベートゾーン守ってね」の声が聞こえてきそうです。
受け止める
人間だれしも、内側にとげを秘めていると思うのです。
それが見えるか見えないかは、その人次第。
人間もアザミのようだなとも思うのです。
心に余裕がなくなると、とげがむき出しになったりして、時には相手を攻撃してしまったりするんですよね。
冷静に考えると、それはお互いにとって良いことではないですよね。
もし自分のとげが芽生え始めてきたら、一旦受け止めてあげることが大切なのかもしれません。
「ああ、今疲れているな」
「余裕がないな」
一呼吸置くことで、ソワソワした心が落ち着くかもしれません。
一旦心を落ち着かせて、時間には余裕が無くとも気持ちに余裕を持つことで、物事がうまくいく可能性があるかもしれないなと思うのです。
アザミは、食用にもなる美しい花。
一方で、とげもある花。
様々な一面があるからこそ、魅力的な花なんですよね。
人間もおんなじかな。
喜怒哀楽がそれぞれあるから魅力的な人。
だから、一旦受け止めて穏やかに過ごせる方法を見つけていきたいなと思うのです。