数年前の大阪帰省の時。
阪堺電車が往来する街並みにとっても惹かれました。
住んだこともないし、記憶にもないはずなのに、なぜか懐かしさを感じる街とチンチン電車。
今日、8月22日は「チンチン電車の日」です。
1903年の8月22日東京電車鉄道の路面電車が新橋~品川で営業を開始。
東京で初めて路面電車が走りました。
チンチン電車の愛称でも知られる路面電車は、日本でも数少ない公共交通機関の一つ。
遠くの町に、乗る目的、見る目的で出かけないと出会えないチンチン電車。
バスとは、一味違った公共交通です。
路面電車の登場
日本で初めて路面電車が走ったのは1890(明治23)年5月4日に上野公園です。
内国勧業博覧会というイベントの会場の中でした。
日本で最初の一般の道路を走る路面電車は1895年2月1日に開業した小路東洞院~伏見京橋の京都電気鉄道なんだそう。
上野公園のそばの路面電車も、京都電気鉄道も今では廃止となってしまい、現地を訪ねてみても路面電車が走っていたことが嘘のような変貌を遂げているような感じ。
当時は、各地で地域の足として活躍をしていたんですね。
チンチン電車の理由
道路に敷設されたレールを走る路面電車。
チンチン電車の愛称でも親しまれていました。
路面電車には、昔、車内に車掌がおり、車掌は運転手にベルを鳴らしてメッセージを送るというかたちをとっていました。
広島市にある広島電鉄は、京都で使用されていた列車が今もなお現役で走っていたりする、珍しい路面電車。
新型車両も増えたし、ICカードの普及や老朽化で、旧型車両の車掌さんのいる車両も減っては来ましたが、レトロな雰囲気と車掌さんの仕事ぶりが観察できる貴重な電車です。
路面電車の愛称がチンチン電車なのは、車掌さんや運転士さんの合図から。
「チン」と一つ鳴らすと停留所が近づいてきたしるし。
「チンチン」と二つ鳴らすと、降りる客はいないというしるし。
目視でなくとも、音で確認し合っていたんですね。
この音からチンチン電車と呼ばれるようになったのだそうです。
未来への可能性を秘めた路面電車
広島電鉄のように、古い電車と新しい電車が混在している街で観察してみると、今でも市民の足として愛され、活躍をしていることがよくわかります。
広島市で観察してみると、過去と現在が入り乱れているようなそんな感覚を覚えてしまいます。
日本で現存する路面電車は札幌、函館、富山、東京、大阪、広島、高知、熊本、長崎、鹿児島など活躍中。
これからも、地域の足や観光目的として残ってほしいなと思っています。
近年では、環境問題やコンパクトシティを目標に新たに道路にレールを敷いて路面電車を走らせる計画があるのだそう。
その一つが宇都宮市。
いままで、路面電車が走ったことがない都市で、コンパクトシティ化を目指して宇都宮ライトレールを新設中なのだそうです。
2023年の8月に部分開業されるという宇都宮ライトレール。
もしかしたら8月22日開業するのかな。
地域に根付いた新しい形態の路面電車の出発。楽しみですね。
今日はチンチン電車の日。
廃線になった路面電車を惜しみつつ、これから開業する路面電車に期待していきたいですね。