菊の花と言えば、皇室を思い浮かべます。
福島県二本松市の菊人形などが有名ですが10月中旬ですから、旬の時期はもう間もなくでしょうか。
菊の旬
菊は種類が多いので旬の時期というのは難しいようです。
開花の時期によっては菊は夏菊、秋菊、寒菊と分かれているので、旬の時期は春は除くのかな。
所によっては1年中楽しめる花ということですね。
菊の節句
古来の中国では、奇数を縁起の良い数字「陽数」、偶数を縁起の悪い数字「陰数」と考えられていました。
年中行事を行う節目の日は、1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日の五節句が用いられています。
日本でも、元旦や桃の節句、端午の節句、七夕となじみ深いものがありますね。
他の節句と比べて行事が少ない9月9日は中国では重陽の節句と呼ばれ長寿を祝う日とされています。
9は一桁の最大の数であるので、縁起も最大。
加えて菊には邪気を払う力があると信じられたのと、菊の群生地から流れ出た水を飲んだ村人たちが長生きしたことから、縁起の良い日とされています。
仏花=菊ですが
日本では、仏壇やお墓にお供えするお花として真っ先に思い浮かぶものは菊ですよね。
中国では縁起の良い日に使われたりするのに、日本では仏花=菊のイメージがついています。
なんとなくマイナスのイメージが想像できる菊ですが、実は古来の中国と同じ発想。
菊は亡くなった人を偲ぶ花ですが、同時に葬儀の参列者の健康や長寿を願う花として供えられているのだそうです。
花言葉は格調高いなので厳粛に荘厳に行おうという気持ちも含まれているのでしょう。
皇室が菊の紋を遣うようになった理由
日本の皇室の紋も菊です。
天皇家が菊の御紋を使うようになったのは、鎌倉時代からと言われています。
鎌倉時代の承久の乱で敗れ隠岐に流されてしまったことで有名な後鳥羽上皇が大の菊好きであったことから、菊が御紋に使われ始めたと言われています。
そのころから花言葉があったかどうかは分かりませんが、鎌倉当時から菊は格式高い高貴な花として扱われてきたのですね。
実は食べられます
私の住んでいた地方では、菊の花をお浸しとしていただく習慣があります。
スーパーなどでは間もなく食用の菊の花が野菜コーナーに陳列されます。
ほんの少し苦みのあって大人の一品料理といったところなので、子どもは好き嫌いがあるかもですが、さっぱりとした風味は、ついつい摘まんでしまう美味しさです。
そろそろ今年の栗も出てきます。
今日はハッピーマンデー、敬老の日。
お彼岸の入り日です。
敬老の日も縁起の良い菊や重陽の節句と関係があるのかもしれません。
菊が長寿の花、お祝いの花とご存じない方に贈るのは絶対にやめてくださいね。
菊の節句、重陽の節句は過ぎてしまいましたが、旬の栗ご飯と菊のお浸しを食べながら、お彼岸を過ごすのも心落ち着くひとときになるかもしれません。