未来に対する本は、期待と不安が入り混じります。
子どもの頃は、未来の本といえば『ドラえもん』です。
あんなにワクワクしながら読んだのに。未来に対する不安は、いつから出てきたのだろう。
落合陽一さんという不思議な人
まず経歴を見て、驚きです。
筑波大学の学長補佐。企業経営者。波動の研究者。メディアアーティストって芸術家?とにかく華々しい経歴すぎて一言で職業を表せない凄そうな人です。
ツイッターを見るとご家庭もお持ちで、お子さんもいらっしゃるとのことで、お父さんでもいらっしゃるのですね。
同じ1日24時間とは思えないような時間をお過ごしの方で、本当にサイボーグみたいな人です。
落合さんが2年前に執筆した著書、『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』 SBクリエイティブ (2019/11/14)を読んでみました。
地図から始まり、地図に戻る
この本の第1章から第4章で構成されていて、冒頭には図表がふんだんに使われています。
この図表をサラッとみて、「デジタル」「格差」「環境」「SDGs」について説明をしてくれて、最後に知識人との対話があるといった形式です。
最後まで読み進めて、冒頭の地図に戻ると、そういうことだったのかと理解が深まります。
キーポイントはSDGs
読み終えたときに、本から読み取れる全てに共通することがSDGsです。
最近になってSDGsは目にしたり耳にする機会が増えてきましたので、今後本格的に取り組みが加速されることは間違いなさそうです。
大国を含めた国家も世界を代表する企業も、個人も皆がSDGsという同じ目標に向かっていくある意味面白い時代となりそうです。
改めてSDGsについて確認
外務省のページにSDGsについて詳しく解説がありましたので引用させていただきます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、(中略)2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
外務省HP
日本はオワコンなのか
落合さんと知識人の対談が興味深かったです。
ODA(政府開発援助)で日本が実績が世界一であることは、社会科の授業で習いました。
政府が支援をしたニュースを見て、日本も少子高齢化が進んで、国の借金も増えているって聞くし、年金も減額されたり、社会保険料が上がったり、国内でも貧困化は進んでいるのに、他の国を応援している場合なのかとも思ったことがあります。
ところが、池上さんと落合さんの対談で、実は日本も戦後ODAによって多くの命が救われ、こうして豊かになったと経緯を学ぶと、自分の考えが浅はかなものであったかを知りました。
技術競争を繰り広げる大国、アメリカと中国。
ブランド力を高め、SDGsのルールで支配するヨーロッパ。
さて日本の立ち位置はどうなるのか。
何色にも変われそうな日本に魅力を感じてしまうのは、ちょっと自虐的でしょうか。
自分にできること
明日のことはだれにも分かりません。
だけれど、ある程度の情報量があれば、おそらく世の中はこうなっていくのだろうなという予想は立てられます。
予想がたてば、リスクについて考え、対策も立てられます。
そうすれば、不安も少しだけ減るのかもしれません。
テクノロジーは今以上に進化して、どんどん便利になる一方で、人間のコアな部分である人生という時間の使い方、物の価値観などその人が作り上げる考え方が、今よりもずっと重要視されることだろうと思います。
与えられた情報をうのみにせず、多角的に見ること、学びを止めないこと、先入観を取り除いて物事を見ていくこと、自分にできることは何かなと常に考えることの積み重ねが、未来を生き抜くヒントになると考えました。