脇役か、主役か。手を取り合い動物のように結婚するキノコ。

暮らし

食欲の秋。一年中スーパーで見ることのできるキノコも今が旬。

産直などに行くとカゴに入れられて販売されています。

キノコの炊き込みご飯やキノコ汁、身体を温めて免疫が高まるかも

キノコは木の子

マツタケ、シイタケなどを漢字で書くと、松茸、椎茸となります。

茸という字はキノコという字。

実はキノコという名前は「木の子」という意味から付けられたのだそうです。

キノコと言えば木から生えていることが多いですから、昔の人がたまたま見つけて「木の子どもみたいだな」と思って名付けたと言われればそうかもね、と合点が行きます。

でも、漢字では、茸などの字を使われています。

キノコは木から生えるものだけではないからかもしれません。

誰かが試してくれたから今がある

NHK『チコちゃんに叱られる』では、キノコが食べられるか食べられないかについて、誰かが試してくれたからと教えてくれました。

私の実家では山が近く、多く村の人が春は山菜、秋はキノコを採りに山に入っていました。

実際に山を持っている人がいて、食べられるのかどうかも見分けてくれる人もいました。

昔からの言い伝えは、どんな季節にどんなキノコが生えてくるのかを知っていて、昔の人の誰かが毒見をしてくれたから。

毒キノコは色鮮やかで毒々しい色をしているとか、虫などの他の生き物が食べているキノコは食べられるとか、毒キノコの見分け方の迷信はありますが、これらは間違いです。

きちんとした知識を持って食べられるかどうか見分ける必要があります。

結婚するきのこ

キノコはたくさんの胞子を飛ばして子孫を残します。

胞子は、風に乗ったり、雨水に流されたり。

時には、動物の毛にくっついて自然の旅をしたり、鳥や草などを食べる動物に食べてもらって、体の旅をして糞と出てきて土の養分となり、新たな生命となるものもあります。

新しい場所で育むのってとっても大変なのですね。

新たな生命に結びつかない胞子も多いために無数と言ってもいいほどの胞子を飛ばすのです。

そんなキノコの胞子にはオスとメスにあたるような性別の違いがあるそうなのです。

胞子が芽を出している糸のようなものを菌糸と言いますが、胞子同士の菌糸が手を伸ばして一体となり、新しい菌糸となるのだそうです。

キノコの胞子同士が手と手を取り合って、一本の糸につながるなんてなんだかロマンチックですよね。

新しい菌糸は新たな胞子を生み出すことが出来て次の胞子を飛ばします。

なんだか、人間に置き換えると結婚と出産をしているようで親近感がわきます。

今ではスーパーに行けば四季を問わずに陳列されているキノコ。

秋の味覚の代表格です。

自然に生育するキノコの背景を知るとますます味わい深いものになるかもしれません。