聞くはいっときの恥。
自分が知らないことを聞くのは、恥ずかしいと思っても、聞かなければ一生知らないので、そっちの方がよっぽど恥ずかしいという意味。
知らないことを恥ずかしがったり知ったかぶったりせずに、ちゃんと素直に聞いいたほうがよい。
ということわざです。
弱い時分を見せたくない
社会人になってから数年。
右も左もわからなかった私は、とにかく働いている同僚や先輩に追い付きたくて、がむしゃらに働いていました。
初めの頃は、怒られたりして、悲しい思いをしたものですが、3年、5年と経つうちに、少しずつ会社での自分という立ち位置を見つけて働くことが出来るようになりました。
5年が経つ頃には、一緒に入った3人の同期は、結婚や転職などでやめてしまい、私一人に。
10名ほどの後輩も出来て、ようやく仕事をしている自分に自信が出てくるようになった時期でした。
入社後のがむしゃらに働いていた時期とは異なり、後輩から聞かれた立場になった私。
分からないことは自分で調べたりするなど、自力で解決するようになってくると、なかなか人に聞けなくなっている自分がいました。
後輩が見ている中で、自分が分からないことを誰かに聞くのが恥ずかしいと思ったのです。
自分勝手に、人に聞いている自分が恰好悪い。知らないなんて、頭悪い。そんなことも知らないの?みたいなことを想像して、ナーバスな気持ちになって、聞けなくなっていました。
人に聞くのが恥ずかしいというか、自分が無知なのを知られるのが嫌だったから、他人に頼らず、自分で何事も処理していたんですよね。
勇気は一瞬、後悔は一生
他人に自分の弱みを見せることは、恥ずかしいことではないんじゃないか。
このことを気が付かせてくれたのは、子どもたちの存在。
妊娠中も、他人の手を借りることなく残業までして、働いてきた私は、出産後もバリバリ働いていく予定でした。
それこそ、産後半年もしたら、職場復帰しようかなとも思って保育園まで探そうと思っていたところです。
そんな中で、出産。
産後の肥立ちが遅く、体中が不調の中、思うようにいかない初めて育児など、自分ではどうしたらよいのか分からない状況に。
その時に声をかけてくれたのが、助産師さんでした。
「自分で抱えちゃダメ。人に頼ることも大切なことだよ」
私の悩みを聞いてくれて、お茶を出してくれて。
ポツポツ自分の悩みを話し始めたら、涙が止まらなくなってきました。
勝手に強い自分でいなければいけないと思っていた私。
自分勝手に想像して、他人に聞いたり、頼ったりすることが恥ずかしいことだと思っていた私。
そんなプライドは捨てて、聞けることは聞いた方が早いし、確実。
他人を頼った方が、自分よりうまくやってもらえるかもしれないし、自分も他の事で役に立つことがあるかもしれない。
このように考えて、少しずつですが、前向きにとらえられるようになってきました。
人に聞く、他人を頼るって少しの勇気なんですよね。
勇気をもって声をかける。
その積み重ねが、自分を前進させる。
自分で調べて分からないことは、人に聞く。
知らないことを聞くことは恥ずかしいことではないと自分に言い聞かせて、勇気を出して聞かせていただきます。