ほっ、ほっ、ほたる~♪
図書館で借りた絵本を読んで、初めてのホタル鑑賞。
小さな体から放たれる光は、とても力強く、こちらもその光に引き寄せられました。
梅雨の合間の蒸す暗闇の中。
街明かりの消えた水辺で放たれる光を探すと、心も洗われるような、そんな澄んだ気持ちになりました。
季節の絵本
図書館には、毎月の行事や季節の習わしごとなどの特設コーナーが設置されています。
大人になるにつれて、気持ちにゆとりが無くなったりして、自然に目を向ける機会が減っていたので、私自身が楽しませてもらっているコーナー。
今月は、父の日、歯磨き、梅雨やホタル観賞でした。
その中で見つけた、すどうあさえさんと相野谷由起さんの『ほっほっほたる』(2020/4/20)ほるぷ出版。
きつねくんが「♪ほっ、ほっ、いいところ~♪」と歌いながら、うさぎちゃんとお出かけするお話。
アジサイの森や、熟した梅から放たれる香りのいい梅の木を見たり、カエルの合唱が聞ける水辺を見たり。
クライマックスは、夕暮れ時のホタル。
6月に見れる素敵な自然をたくさん教えてくれて楽しませてくれます。
ホタルを探しに
ホタルの絵本を読むのは、決まって寝る前。
布団に寝っ転がりながら、「ホタルも寝ちゃったかな~」と言いながら見ていました。
週末が雨だったりすることも多くてなかなか出かけられなかった今月。
ようやく、ホタルの鑑賞に出かけることが出来ました。
行った先は、湿地帯。
昼間は、公園として、水辺の花を見に地元の人を中心に和ませてくれる市営の公園です。
運営されている方々のお陰で、近年ホタルが戻ってきたという話を聞いて、少し蒸し暑い日暮れ時に訪れてみました。
今の日の入りは19時くらい。
太陽が山に沈んでから日暮れが進んで、宵のうちがホタルが見れるとき。
木道に座りながら、「今日は飛んでくれるかな~」とぼんやり暗闇を眺めてみました。
水辺のロマン
初夏の夜に幻想的に舞うホタル。
ホタルが飛ぶ条件は、曇っておらず、風のない生暖かい日。
ホタルが住むのは、きれいな水辺。
ホタルの幼虫がエサにする、カワニナがいるところなのだそうです。
ホタルは、卵から幼虫になるまで10カ月の時を水辺で過ごします。
卵から幼虫にかえるのが、4月から5月。
サナギになって、2カ月くらいを擁して、成虫になります。
成虫になったホタルは、オスが強い光を放ち飛びながら、相手のメスを探し、メスは草の上や木の葉の上などでぼんやりを光ってオスを待ちます。
ホタルの光がプロポーズの合図と言われているのは、光でお互いが引き合うから。
6月のジューンブライドは、人間だけではないんですね。
家で見た図鑑や絵本を見ながら、暗闇の中で思い出し、ひそひそと話していたら、オスが1匹、2匹と飛んでくれました。
メスはぼんやり光るから、自分の目が悪いせいもあって、あそこかな~と見えているのか錯覚なのか曖昧。
数メートル離れたところで観察していると、2匹が呼応したのか光を放つのが見えて。
「カップルになったのかな~」とほっこりさせられました。
ホタルは成虫になってから1週間という短い命。
オスの力強い光や、メスの柔らかい光には、未来につなぐやさしい気持ちも含まれているように思いました。
自然は真面目。
生き物もそう。
蒸し暑さの感じる暗闇の中で、心が洗われるような気持ちになったホタル観賞でした。