どうかどうか、穏やかに過ぎ去ってください。
台風や長雨の情報を見聞きすると、そう祈ることが多くなりました。
情報の発達で未然に防ぐことも可能な時代になりました。
でも、毎年起こってしまう、自然災害。自然が怒っているのかな。
一枚の素敵な絵
友人から頂いた洋服にあったタグに素敵な絵が描いてありました。
本屋さんで売っていたらきっと買っていただろうなと思わせる絵。
ネズミさんもウサギさんもリスさんもみんな楽しそうにピクニックをしている場面です。
ネズミさんとウサギさんは何の話をしているんだろうね。
ネズミさんは何か見つけたのかな?
目的地は海かな山かな?
一枚の絵から子どもたちと話が膨らみます。
小さなお話が出来そうな、ぬくもりのある素敵な絵です。
コロボックル
裏側にはcolobockleと書いてあります。
絵本作家の立本倫子さんが描かれた絵だということが分かりました。
立本さんは石川県生まれ。
絵本をはじめイラストレーション、映像、クラフトなど様々な分野で「子ども」をテーマに想像性豊かでユーモラスな世界を繰り広げ、遊び心を持った作品づくりに取り組んでいる方。
ヨーロッパやアジア諸国で世界でも翻訳され愛読されています。
『アニーのちいさな汽車』、『じっくりおまめさん』(学研)
『はだかの王さま』、『てぶくろ』(ブロンズ新社)のようなのでを近所の書店で探してみようかと思います。
アイヌの伝承
ところで、colobockleって言葉、どこかで聞いたことのある言葉だなと頭の中を探してみたら、やっと思い出しました。
北海道の言葉でした。
正確にはアイヌの言葉。
アイヌの伝承に登場する小人のこと。
意味は「蕗の下の人」という意味。
確か、アイヌの人が住み始める前に住んでいた小人の住人で、蕗で作った家に住んでいたはず。アイヌの人が入植?してくると友好的にしようと食べ物を差し入れたりしました。コロボックルは姿を見せるのが極端に嫌っていた小人。差し入れも窓から姿を見せないようにしていました。ある日、アイヌの青年がコロボックルにお礼をしようと差し入れに来たコロボックルを捕まえました。怒ったコロボックルは、一族を挙げて北の海へ去ってしまい、二度と姿を見せることはなかった、というお話。
佐藤さとるさんの『コロボックル物語』は↑のコロボックルの伝説をもとに6巻にわたって楽しい作品を残してくれています。
初めの1巻は1959年に誕生した絵本ですが、時代を超えて読み継がれるロングセラー絵本です。
伝説では悲劇になっちゃうけれど学ぶことは多い
今はもちろん北海道にコロボックルやアイヌはいないし、はファンタジー童話なので、実在はしないのかもしれません。
でもコロボックルやアイヌから学ぶことはたくさんありそうです。
人間が自然の中で暮らしていく生き方。
コロボックルは自然なのかもしれない。
自然は「トモダチ」になりたがっているのに、人間は自然の気持ちも考えずにどんどん開発してしまう。
伝説に出てくるアイヌの青年が、恥ずかしがり屋のコロボックルに手紙を渡していたら、もしかしたら仲良くなれたかもしれない。
「トモダチ」になりたい気持ちが強すぎて、コロボックルのことを考えず、無理に待ち伏せて捕まえてしまったことが、二つの民族を分断させてしまう結末は悲劇にも思います。
飛躍した想像もまた楽し
絵本も伝説も想像力を働かせると奥深いものがあります。
自然の中で生かされている謙虚な気持ちを持ちながら、私も生活しなくちゃな。
コロボックルと仲良くできたら楽しいよね。
一枚のおまけの絵からどんどん飛躍していきましたが、想像は自由。
想像力を働かせて、家族や子どもたちと楽しい会話を重ねていきたいなと思った一枚の絵でした。